ナイキのスニーカーは ”寝かせれば伸びる” これはもう通用しない?

スニーカー投資の世界で、
長く語られてきた戦略がある。
「2〜3年寝かせれば伸びる」
確かに、
それが機能した時代はあった。
だが2026年現在。
その前提は崩れている。
問題は“年数”ではない。
問題は、
ナイキが今どの局面にいるかだ。
第1章|2018年、ナイキは主役だった

2018年。
あの年は異様だった。
SNKRSの登場 | コンテンツの充実
SNKRSの浸透により、
地方勢も平等に抽選参加。
- 限定リリース
- イベントと連動
SNKRS STASH
SNKRS CAMなど - 突発販売
メンバー限定
ギミック型リリースなど
アプリを開く回数は
今とは比べ物にならない。
“参加すること自体が楽しい”
それがブームの始まりだった。
魅力的なコラボモデルの数々


トラヴィス・スコット コラボ
オフホワイト “THE TEN” コレクション
ナイキはトレンドを追う側ではなく、
作る側だった。


ATMOSとのコラボも毎年のように行われ、
国内小売も異様な盛り上がり。

藤原ヒロシという名前が出ると、
空気が変わる。
後の時代でも、
市場が停滞すると彼の名が出てくる。
偶然か?
いや、象徴だろう。
革新的なシルエットとテクノロジー




ナイキを代表するテクノロジー
マックスエアを
ミッドソール全体に配置した
ヴェイパーマックスシリーズの
革新的なシルエットが話題を呼び
そして、
カーボンプレートとズームX素材を融合させた
ヴェイパーフライがランニング界の
テクノロジーを加速させた。
ジャンル問わず
時代の先頭走っていたナイキ…。
“ナイキの新作”というだけで、
期待値が跳ね上がっていた。
NIKE BY YOU(旧 NIKE iD)も盛り上がっていた


ブームの時代。
NIKE BY YOUですら
攻めていた。
コラボ要素を取り入れたカスタム。

さらに、
OG再現カラーを自分で作る楽しみ。
あの頃は
“参加すること”が楽しかった。
今はどうだろう。
無難。
保守。
驚きが少ない。
絶妙な流通足数の調整

今思えば、
日本のブームを甘く見ていたのかもしれない。
買い付け数は控えめ。
供給は絞られていた。
関係者談では
「割り当てが少なかった」とも。
結果どうなったか。
希少性が自然発生した
これが
「2〜3年寝かせれば伸びる」の正体。
今この時と同じ状況を
意図して作ることができれば
またブームと呼ばれる熱い時代が
やってくるのかもしれない…。
第2章|2023〜2024モデルを追って判明した現実
| カテゴリー | 2023–2024 プレ値傾向 | 市場評価 |
|---|---|---|
| ナイキ一般モデル | 定価以下がほとんど | 供給過多でリセール妙味は弱い |
| 一部コラボモデル | 定価の約2倍クラスも存在 | 話題性+限定性が価格を支える |
| ダンク OG・復刻 | 定価前後 | 過去ほどの爆発力はなし |
| AJ 1 HIGH OG | 定価前後多数 | ブランド力は健在だが上昇力は限定的 |
・流通足数が多い
・新色リリースが多い
・シリーズ展開が過多
・そして何より「飽き」が市場に広がった
では、直近はどうか。
2026年2月時点で
2〜3年経過したモデル群を検証。
結論👇
- 大半が定価前後
- コラボの一部のみがプレ値化
- 代表モデルも伸び悩んでいる
ここにデータを並べる。

| 商品名 | ナイキ エア サファリ エレクトリック |
| スタイル | HM3818-001 |
| 販売日 | 2024年7月19日 |
| 定価 | 17,930円 |
| 現在のプレ値 | 8,000~9,000円 |

| 商品名 | ナイキ エア モア アップテンポ ’96 ”オリンピック” |
| スタイル | FQ8182-100 |
| 販売日 | 2024年7月25日 |
| 定価 | 22,550円 |
| 現在のプレ値 | 定価前後 |
| 商品名 | アンブッシュ × ナイキ エア フォース 1 LOW |
| スタイル | DV3464-002 |
| 販売日 | 2023年3月9日 |
| 定価 | 22,000円 |
| 現在のプレ値 | 45,000~55,000円 |

| 商品名 | コンセプツ × ナイキ SB ダンク LOW SP |
| スタイル | FD8776-800 |
| 販売日 | 2023年2月28日 |
| 定価 | 14,300円 |
| 現在のプレ値 | 40,000~50,000円 |

| 商品名 | ナイキ エア ジョーダン 1 レトロ HIGH OG ”ホワイトセメント” |
| スタイル | DZ5485-052 |
| 販売日 | 2023年3月1日 |
| 定価 | 20,900円 |
| 現在のプレ値 | 15,000 ~17,000円 |

| 商品名 | ナイキ ダンク HIGH レトロ PRM ”Wu-Tang Clan” |
| スタイル | HJ4320-001 |
| 販売日 | 2024年11月9日 |
| 定価 | 20,900円 |
| 現在のプレ値 | ~15,000円前後 |
| カテゴリー | 2023–2024 プレ値傾向 | 市場評価 |
|---|---|---|
| ナイキ一般モデル | 定価以下がほとんど | 供給過多でリセール妙味は弱い |
| 一部コラボモデル | 定価の約2倍クラスも存在 | 話題性+限定性が価格を支える |
| ダンク OG・復刻 | 定価前後 | 過去ほどの爆発力はなし |
| AJ 1 HIGH OG | 定価前後多数 | ブランド力は健在だが上昇力は限定的 |
・流通足数が多い
・新色リリースが多い
・シリーズ展開が過多
・そして何より「飽き」が市場に広がった
数字は嘘をつかない。
ダンクは復刻しすぎた
AJ1 HIGH OGも出しすぎた
足数が多い。
新色も多い。
シリーズも多い。
そして何より、
飽きられている。
無視できない価格の問題
ナイキ定価推移(2018 → 2026)
y円安。
物価高。
可処分所得の減少。
一足の負担が重い。
“とりあえず抽選参加”の心理は消えた。
これもブーム失速の一因だ。
ターゲット設計の曖昧さ


もう一つ、
触れておきたい点がある。
ここ数年、
ウィメンズモデルの
比重が大きくなっている。
これは決して悪いことではない。
ただし、
問題は“設計の曖昧さ”だ。
男性にも刺さらず、
女性にも強く刺さらない。
中途半端な位置にいるモデルが増えている。
結果として、
「これは絶対欲しい」
という熱量が生まれにくい。
ブーム期はシンプルだった。
メンズはメンズで強いモデルを出す。
ウィメンズはウィメンズで
明確なコンセプトを持つ。
ターゲットがはっきりしていた。
今はどうか。
ジェンダーを広く取りにいこうとするあまり、
輪郭がぼやけている。
一般的に、
- 男性は希少性や歴史、
OG性に惹かれやすい - 女性は価格やトレンド感に敏感
もちろん一概には言えない。
しかし市場傾向として、
購買動機は微妙に違う。
そこを曖昧にすると、
両方に“刺さらない”状態が生まれる。
ナイキの失速には、
供給過多だけでなく、
この設計のブレも絡んでいる可能性はある。
強いモデルは、
誰に届けたいのかが明確だ。
今のナイキは、
少しだけ迷っているように見える。
第3章|ジョーダンシリーズの現在地|王は迷っている

正直に言う。
ジョーダンシリーズ
(特にAJ1とAJ4)は
今、かなり苦しい。
理由はシンプル。
出しすぎた。
そして、
遊びすぎた。
配色の問題 | 新色とアレンジが苦戦中


最近の新色。
正直、
刺さらない。
どこか既視感。
どこか中途半端。
「これは絶対欲しい」という
心を掴む配色が少ない。
復刻のアレンジも、
正直に言うと論外なものもある。
OGを尊重しきれていない。
でも攻めきれてもいない。
結果、どっちつかず。
特にAJ1は
“王道”だから強い。
そこをブレさせると、
軸が揺らぐ。
ブーム期の鉄則 | パターン


2018〜2020年の黄金期。
あの時の構図はこうだった。
- HIGHで王道を押さえる
- MIDで遊ぶ
- LOWで締める
これが鉄則。
HIGHは憧れ。
MIDは手を出しやすい実験枠。
LOWは履きやすく浸透。
ちゃんと役割分担があった。
今はどうか?


今はHIGHで遊びすぎている。
本来、王道であるべきHIGHが
実験場になっている。
その結果、


この連鎖がブームを作る。
今は、その導線がない。
それでも、ジョーダンシリーズは死んでいない

勘違いしてほしくない。
ジョーダンシリーズは決して
終わっていない。
ただ、
王が少し迷っているだけだ。
もし足数が絞られ、
HIGHが再び“王道”に戻り、
MIDとLOWが役割を取り戻せば。
流れは変わる。
特にAJ1は、
ブームを再点火できる
ポテンシャルを持っている。
だからこそ、厳しく言う。
今のままでは弱い。
でも、
立て直せば一番強い。
第4章|2026年はブーム再来の兆しが見えている?

では、今後はどうか。
現在のナイキ市場は、
低迷期から回復の兆しを見せ始めている。
- AM95の注目度UP
→AIR MAX DAYが目途? - コラボの質向上
→フラグメントがキー? - イベント限定や店舗限定モデル
→これまたフラグメントが絡む - モデルごとの足数調整傾向
→調整されている雰囲気を感じる
(AJ6 BINやセントラルシ―AF1など)
この構図、
どこか既視感がある。
2018年頃と重なる部分がある。
特に“象徴的人物の起用”は、
復権の合図になることが多い。
しかし、
まだ「第二のダンク」のような
爆発的モデルは現れていない。
供給コントロールが進めば、
再び“寝かせ戦略が機能する局面”が
訪れる可能性は十分にある。
一方で、
ジョーダンシリーズは依然苦戦中。
- 足数を上手く調整
★最も重要 - リリースを抑える
- 無駄なアレンジを控える
このあたりが
今後ジョーダンシリーズが
復活するカギになる…!?
最終結論|ナイキは返り咲けるのか?

答えはこうだ。
返り咲く可能性はある。
だが、
自動的には起きない。
局面が整えば、
寝かせ戦略は再び武器になる。
局面が悪ければ、
何年持っても動かない。
スニーカー投資は時間ゲームではない。
波乗りだ。
波が来ていない海で待っても進まない。
だが波が来れば、
年数は一気に意味を持つ。
探すべきは“何年”ではない。
“今はどの局面か”だ。
それを読めるかどうか。
それが、
主役が誰になるかを決める。
そしてもし再び波が立てば、
ナイキはもう一度、
スニーカー投資の主役に返り咲く。












